溺愛〜ラビリンス〜
三浦 翔真 side
柚…
俺は一体何処にいるんだろう?何もない、誰も居ない場所に一人佇み息苦しさに耐えていた。
柚は何処にいるんだ?
柚…柚…
ウッ…ハァ…ハァ…ハァ…
何だ?
眩しい…ボーッとしながら少し目を開けると、光が差し込み目を開けているのが辛い。此処は何処だ?そんな事を考えていると、突然柚の声が聞こえてくる。
「翔兄ぃ?気がついたの?翔兄ぃ!看護婦さん!」
『はい。どうしました?』
「目を覚ましました!」
『すぐ行きます。お待ち下さい。』
「はい!お願いします。」
柚が近くで話しをしている。随分焦った様子で大きな声で興奮している。 少し煩く感じる。
「翔兄ぃ!今、看護婦さんが来るからね?ハァ…良かった…翔兄ぃ!起きてよ。もう目を覚ましして…私を見て。」
柚の言葉は最後の方は涙声になっていた。どうしたんだ?柚…何で泣いてんだよ?
柚に話しかけたいけど、体が重苦しく自由にならない。頭がボーッとして、喋る事が思うようにできなかった。
「失礼します。三浦さん?気がつきましたか?気分はどうですか?」