溺愛〜ラビリンス〜
「あぁ。」
。
それだけ言うと腕組みをして目を瞑った。
お袋の電話から10分程で一軒目の店に着いた。
ここは組が経営している店だ。こうして月に一度集金に回るのと、それとは別に店を抜き打ちでチェックをするために来る事が俺の仕事の一つだ。
車を降りると、店長と店のナンバーワンからナンバースリーまでが出迎えに出ていた。
「お疲れ様です。」
店長が挨拶して来る。
「あぁ。」
一言返事をして店内へ入る。
きらびやかな店内を歩きVIPルームへ向かう。
客や店の女の視線を感じるがウゼェだけだ。そんな視線を無視してVIPルームの中へ入る。
部屋の中には俺達三人の他、店長とさっき出迎えた女達が一緒に入ってきた。
「おい。女はいい。部屋から出せ。」
店長に言えば、恐らくナンバーワンの女だろう。
「えーっ!どうして?良いじゃないですかぁ。」
と俺に近づき腕を絡めてきた。
「おい」
低い声が部屋に響く。俺の声に龍也と店長が慌てて女を引き剥がした。