溺愛〜ラビリンス〜

「「あぁ…」」


二人は俺の言葉に頷く。

本心を言えば、悠斗の事もフォローしてやりたい…それは欲張りというものか…俺にとっては翔真は親友であり、相棒であり、当然ガキの頃からの付き合いの幼馴染みだ。一番の友だから、何があっても優先させる存在だが、悠斗も俺にとって幼馴染みである事は翔真と同じだ。

だから俺はこれまでも柚ちゃんの件では、正直どちらかが絶対に傷つく事に胸が痛かった。まあ…柚ちゃんは既に結論を出したんだけど…それでもあの二人にとっては、姫が結論を出した後に一度はぶつかり合わないと、多分収まりがつかないんだと思う。これは仕方のない事なんだけど…周りの人間にとっては、黙って見ている事しかできない事が辛いし、二人が対峙するまでの間、緊張や不安などの思いに苛まれなければならない。


「場所はどうする?」


凌が坦々と聞いてくる。 そう…一番の問題である話し合いをする場所…何処にするか…俺も迷っていた。


「…翔真は何か言ってないの?」


健人が当然のように聞いてくる。




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