溺愛〜ラビリンス〜
「あぁ…おばさんかおじさんが病院に来るなら、一緒に帰るから今日はもう良いって。どっちも来ないなら電話くる事になってるから、もう一回病院行く事になる。」
爽はそう言うと、ソファーに凭れ掛かって天井を仰ぐ。
「そうか…」
俺が爽の報告にそう言うと、遮るように
「で、何話してたの?」
爽がチラリと俺を見て聞いてきた。爽は爽なりに空気が張りつめているのを感じていたようだ。
「翔真から…悠斗と話しをしたいから、セッティングするように言われたんだ。その話しをしていた。」
俺が簡単に説明すると、爽はあぁ…そう言う事。と呟いた。
「それで…どんな話しになってるの?」
「健人から翔真が事故った場所だけど、俺達の思い出の場所にしたらどうかって話しが出た。」
「ヘェ…成る程…人目に付かない場所だし、あそこが今回の件の切っ掛けだし…良いかもな?で、みんなの意見はどうなの?」
「事故現場だからな…翔真に一応聞いてみるって事になった。」
「そっか…」
「まあ、翔真は気にしないと思うけどな?」
俺がそう言うと爽はニヤッと笑って、そうだな…と頷いた。