溺愛〜ラビリンス〜
キング 三浦翔真
「おはよう。有希。」
有希に挨拶するとさっきの一件ですっかり疲れきっているのでぐったりと自分の席に着く。
少しすると担任が教室に入ってきたのであつくんも亜莉沙、有希も席に着いた。
私は朝からすっかり白、黒王子にペースを乱されてしまい、午前中の授業は全然頭に入らなずに終わった。
そして昼休みになるとすぐ異変が起こる。
「柚。おいで。」
教室の後の入り口から聞こえてくる声。
次の瞬間、教室から女子の「キャー!」という声が響く。
「翔真先輩。」
「翔真様」
と兄の名前を口にする女の子の声に混じり男子が
「キングだ!」
と叫んだ。
私は「ハァ…」と小さくため息をつき、兄のいる入り口の方を見る。
何で教室に来るの?と言いたい。白、黒王子といい私の周りは何でこんなに騒がしいのかな?
私はもっと静かに学校生活を送りたいのに…朝に続きぐったりと脱力感…でも翔兄ぃがいつも私の事を心配してくれている事をが分かるので、席を立ち翔兄ぃの元へ向かう。
翔兄ぃこと三浦翔真(みうらしょうま)は私の兄。とても優しく小さい頃からいつも私を大事にしてくれ守ってくれる兄だ。