溺愛〜ラビリンス〜


二人はバイキング形式になっているお料理を皿に盛って、食べながら話しを続ける。

私も料理を食べながら話しに付き合ってたけどちょっと疲れた。


「フーッ。」


とため息をつくと、


「柚?」


背後から私を呼ぶ声が聞こえた。
振り向いて見るとそこにはゆうくんが居た。


「ゆうくん!」


やっぱり自分のママの誕生日パーティーはちゃんと出るんだ。


「どうした?」


怪訝そうな顔で聞いて来るゆうくん。


「何が?」


質問の意味が分からず聞き返すと


「疲れた顔してるぞ。」


ゆうくんに言われてそんな疲れた顔してたのかと慌てる。


「少し外に出ないか?」


「うん。あ、ママ達に言ってくるね。ちょっと待ってて。」


私が言うと何故かゆうくんは嬉しそうに笑った。
そして


「あぁ。」


ゆうくんの返事を聞きママ達に話しかけた。


「ママ、ゆうくんと少し外に出て良い?」


私が聞くと、ママと彩花ちゃんの視線がゆうくんに向かう。





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