溺愛〜ラビリンス〜
突然のゆうくんの言葉に、その意味が一瞬分からない程驚いてしまった。
「俺が言ってる好きは幼なじみとしてじゃないからな。」
ゆうくんは私の様子を察して説明してくれた。
それって…恋愛感情の好きって事だよね?
小学校の頃からずっとあつくんと私の事を取り合ったり言い合いをしてたけど、ゆうくんがそういう行動や発言をするのは、あつくんをライバル視してお互いに張り合っているからだと思っていた。
長い付き合いだけど、ゆうくんのここまでの本音を初めて聞いたのかな?
何て答えて良いのか分からずにいると
「柚…」
名前を呼ばれたと思ったらゆうくんに抱き締められていた。
「…ゆうくん。」
戸惑いながらゆうくんを見上げればゆうくんと目が合った。
「好きだ」
ゆうくんの言葉を聞いた後、気がつくとゆうくんの顔が近くにあり唇が触れていた。
何が起ったか分からなくて固まっている私はゆうくんにされるがままキスを受けていた。
長いキスがやっと終わると、私はゆうくんの顔を見る事ができず俯いてしまった。
「柚、ごめん嫌だったか?」
ゆうくんが居心地の悪い空気を変える様に沈黙を破った。