溺愛〜ラビリンス〜
小百合ちゃんはホッとした様に表情を緩める。
「ありがとう。でも…嬉しいわ!柚ちゃんがうちにお嫁に来たら母娘になるのよ!夢みたい!娘ができるんだもの。」
うっとりした目で妄想に入っている小百合ちゃん。
えー!凄いプレッシャーだよー。困っているとママがポンと肩に手を置いた。
「大丈夫よ。我が家には柚をお嫁にもらう為には難所が2つもあるんだから。」
難所…パパと翔兄ぃの事だよね…考えると怖い…
「まぁ、良いじゃない。夏姫も小百合も柚ちゃんに構いすぎ。柚ちゃんに任せなさいよ。」
今まで黙って聞いていた彩花ちゃんが口を挟んだ。
「「そうね…」」
ママと小百合ちゃんが返事をすると彩花ちゃんは
「でもね自分でどうにもならないって思ったら、私達の誰にでも良いから相談しなさい。私達は女の先輩なんだから…」
と言ってくれた。
「ありがとう。私一生懸命考えてみる。」
私にはこんなに頼りになる女の先輩が三人もいるんだって思ったらとっても心強かった。
ゆうくんの突然の告白は驚いたけど、真剣に考えて返事をしよう。
前向きに考えていた私だったけど、この時の事が私の未来に大きな影を落とす事になるなんて思いもしなかった。