溺愛〜ラビリンス〜
坂本 悠斗side
パーティー会場で柚を探しているがなかなか見つからない。
イライラする俺に近づいてくる女達。柚を探すのに邪魔でしょうがない。
「あの…」
声をかけてくる女を睨み付け柚を探して会場内を歩く。
「悠斗様。」
また女が話しかけてきた。女を睨み付けそのまま歩き始める。
前方に賑やかに話しをしているお袋の親友二人を見つける。柚はどこだ?二人の傍で料理を食べながら疲れた様子の柚を見つけた。
「柚?」
声をかけると俺の方を向き驚いた表情でをする。
「ゆうくん!」
俺の名前を呼ぶ柚。思わず口角が上がる。
「どうした?」
「何が?」
質問の意味が分からないと言った様子で聞き返してくる柚。
「疲れた顔してるぞ。」
俺がそう言えば慌てた様子を見せる。ククッ、見てて飽きない奴。
今日は柚に気持ちを伝えるつもりだ。
「少し外出ないか?」
ここでは話せないから散歩に誘ってみた。
「うん。あ、ママ達に言ってくるね。ちょっと待ってて。」
と返事をした柚は母親の元へ向かった。
「ママ、ゆうくんと少し外出て良い?」
柚が声をかけると、柚と渉の母親の視線が俺に突き刺さる。