溺愛〜ラビリンス〜
そして私の悩みのひとつでもある。キングの妹として静かな学校生活を送れない事が私の一番の悩み。
頭が良くスポーツ万能、そして容姿もそこら辺の芸能人より整っていて、妹の欲目を引いてもかっこいい。
時々、本当に同じ親から生まれたのかな?と思ってしまうほど…私も翔兄ぃの半分でいいから、その人を惹き付ける美しさが欲しかった…と思ってしまう。
「翔兄ぃ?どうしたの?」
近づきながら聞けば、
「今朝、一緒に登校できなかったからな。大丈夫だったか?」
優しく微笑みながら聞いてくる。
我が兄ながら美し過ぎて眩しい…翔兄ぃの笑顔を見ながら多分私、顔赤くなってると思う…
周りからも翔兄ぃの笑顔を見て
「キャー」
「ウソー!」
と女子の悲鳴の様な声が聞こえてくる。
騒がしい状況をまったく気にせず
「柚?」
と私しか視界に入れない翔兄ぃ。
「大丈夫だよ翔兄ぃ。私、そんな子供じゃないんだから!」
口を尖らせ言うと
「子供じゃないから心配してるんだ。何事もなかったならいい…屋上行くぞ。」
と言い私の手をとり歩き出す。