溺愛〜ラビリンス〜
「俺は………お前の事が好きだ。」
悠斗が告白を始めた。僕は思わず息を飲んだ。まさか悠斗が告白するとは…嫌な予感は当たってしまった。
柚ちゃんは驚いた表情をしている。
「柚…」
名前を呼び悠斗は柚ちゃんを抱き締めた。
悠斗の声に我に返り二人へと視線を戻す。
「…ゆうくん。」
戸惑いながら見上げる柚ちゃん。
「好きだ」
悠斗はもう一度告白して柚ちゃんにキスをした。
止めろ!今すぐ飛び出して二人を引き裂きたい気持ちをグッと抑えた。僕の手は爪が食い込み血が出ていた。
固まっている柚ちゃんは悠斗のキスを受け入れていた。僕はこの状況を凍りついた様に動けずじっと見ていた。
心の中は真っ黒で自分の心なのに何も見えない分からない。どうすればいいのか分からず、その場に立ち尽くすしかできなかった。