溺愛〜ラビリンス〜

折原 渉 side


母さんが悠斗の家のパーティーからご機嫌で帰って来た。


「お帰り。」


俺が声をかけると、


「あら渉いたの?あんた達もたまには出席しなさいよ。まったく…」


と説教を食らう。


「今日出席したら面白かったのに。」


ニヤニヤしながら言う母さん。


「何だよ?」


俺の返しに待ってましたとばかりに嬉しそうに


「悠斗くんがとうとう柚ちゃんに告白したのよ。」


「えっ?!」


驚く俺にお構い無く話しを続ける母さん。


「二人にしてやって正解。まぁ帰って来た後、小百合が発破かけたら悠斗くん怒って行っちゃたんだけどね…」


嘘だろ…悠斗は気持ちを言わないと思ってた。言うなら白王子の方だと予想してたから驚きだ。


「小百合は大喜びよ。ハァー…」


チラッと俺を見る母さんに


「何?」


何か言いたそうだから聞けば


「小百合じゃないけど言いたくなるわね…」


何の事か分からず眉間に皺を寄せると


「ヘタレ!」


いきなりの言葉に驚く。


「ハッ?」


大きな声を上げてしまった。




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