溺愛〜ラビリンス〜
「私も娘が欲しいわ。何であんたは柚ちゃんに告白しないの!」
いきなりの言葉に唖然…母さん何考えてんだよ… まったく…
「…柚ちゃんは俺にとって可愛い妹だよ。」
翔真を裏切る事はできないからね。でも…そうか…悠斗はとうとう言ったか…アイツもこの前、屋上でかなり切羽詰まってたからな…
でも今までの柚ちゃんを中心とするバランスが崩れてしまった。翔真や白王子が知ったらどう出るか…
ハァー…これから大変だな…
頭を抱えたくなるが母さんがまだ何か言っている。
俺がパーティーに行かなかったのが余程気に入らないらしい。
俺達がお互いの家のパーティー等、イベントに行かなくなったのは小学6年の時だったと思う。
それまでも翔真と悠斗の間に柚ちゃんを巡る攻防があった。
その年の夏休み事件は起きた。
当時高学年だった俺と翔真は、2つ上の慎志さんに誘われ夏休みにブラックホークスのたまり場に連れて行ってもらったり、遊びに連れて行ってもらったりしていた。
必然的に俺達は柚ちゃんと過ごす事が少なくなっていた。