溺愛〜ラビリンス〜
翔兄ぃに手を引かれ、みんなの視線をビシバシ浴びながら屋上へ向かう。
屋上のドアを翔兄ぃが開けると、入り口近くにいた男の子達が挨拶をしてくる。
「お疲れ様です。」
「こんにちは」
翔兄ぃはそれに
「あぁ。」
と返事をしてどんどん歩いて行く。
私は立ち止まる事ができず振り向きながら
「こんにちは!」
と挨拶をした。
奥へ進むと四人の男の子がいつもの様にいる。
「ユズユズ!やっときたー。」
金髪の黒田爽(くろだそう)くんが大きな声で言う。
「柚ちゃん今朝大丈夫だった?」
と聞いてくるのはミルクティーブラウンのサラサラな髪に、白王子に負けない王子様オーラをもつ折沢渉(おりさわわたる)くん。
「渉くん大丈夫だよ。翔兄ぃも渉くんも心配し過ぎ。」
と言うと
「うちの総長様は姫の事が心配で午前中、何も手につかない状態だったからね。これで何かあったら、ううちのチームは大変だよ。だから心配し過ぎなんて事はないね。」
と言われ翔兄ぃを見れば、私から視線を反らしている。