溺愛〜ラビリンス〜

「翔真…何で出た時からテンション低かったんだ？」


『……柚が…』


「？」


『……帰って来てから母さんとずっと楽しそうに話してんだ…』


それが気に入らない訳か…


『柚は悠斗に返事はしてないのか？』


翔真の問いに


「…多分、母さんの話しだとまだだと思う。」


『…そうか…』


無感情で翔真は一言言ってそれ以上話さなくなった。


「翔真、どうする気？」


俺の問いに


『分かんねぇ…』


と戸惑った様に返事をした。だめだな。今日はそっとしておくべきか…今の翔真は冷静じゃない。
落ち着いてから話した方が良いな……


「翔真、明日にでもゆっくり話そう。今日は気持ちを落ち着けて…」


俺が言えば


『あぁ…悪いな。』


と言って電話を切った。


それにしても翔真かなり落ちてたな…大丈夫か？
まったく柚ちゃんの影響力は凄まじいな…
改めて翔真にとっての柚ちゃんの存在の大きさを実感した。