溺愛〜ラビリンス〜
翌日悠斗から名前を聞いた奴らを呼び出し、渉と二人で容赦なくボコボコにした。そいつらは泣きながら二度と柚に近づかないと約束した。
その日家に帰ると悠斗が待っていた。視線が合うといきなり俺の胸ぐらを掴んだ。
「何でだよ。」
一言吐き捨て帰って行った。
悠斗なりに柚に怪我を負わせた事に責任を感じているのだろう… だから自分で敵を取りたかった。 俺はそれを横取りした。
アイツとは昔から望むものが同じだ。だからいつも相容れない。
この年からなんとなくお互いの家のイベント事に参加しなくなった。
そんな事を思い出しながら柚を待つ。本当に毎回行かせたくない。
救いなのは母さんが一緒だって事だ。取敢えず危険な目には合わないだろう… 朝からそんな事ばかり考え、何も手につかないから今日は早く家に帰って来た。
柚が帰って来るのを待つが時間が経つのが遅い。イライラしながら柚を待つ。
「ただいま。」
柚の声が聞こえた。
帰って来た。ホッとしているとリビングに柚と母さんが入って来た。
「翔兄ぃ!帰ってたの?」
嬉しそうに話しかけてくる柚の顔を見ると自然と顔がにやけてくるのが自分でも分かる。
「あぁ…」
柚に笑顔を向け返事を返す。
「パーティー楽しかったよ。」