溺愛〜ラビリンス〜
逢魔が刻(とき)の姫
三浦 柚姫 side
パーティーの翌日、いつも通り翔兄ぃと一緒に登校した。
昨日ちょっと翔兄ぃの様子が変だった気がしたけど気のせいだったのかな?
そんな事を考えている内に車が学校に着いた。
私は外に出ながらドアを開けてくれた運転手の水谷さんに声をかける。
「水谷さんありがとう。」
いつもブラックホークスの所有する車で登校している。運転をしている水谷さんとは、毎朝顔を合わせるので流石に私も普通に話しができる様になった。
まぁ、翔兄ぃが一緒に車に乗ってるから安心してるってのもあるんだけど…
水谷さんは笑顔で
「行ってらっしゃい。」
と言ってくれる。
「行ってきます。」
挨拶を返して翔兄ぃと一緒に校門をくぐった。
昨日のゆうくんの告白を思い出して会ったらどうすればいいのか分からず、戸惑いながら校庭を歩いた。
そんな私の心配をよそにゆうくんと会う事なく教室に辿り着いた。
「柚?大丈夫か?」
翔兄ぃが声をかけてくる。あれ?いつも翔兄ぃって教室まで来ないのにどうして?
ゆうくんの事で頭がいっぱいで今気がついたけど、不思議に思いながら翔兄ぃに返事をした。
「うん。」