隣の転校生。
「寝坊したって…!!もういい、話してる暇なんかないわ、ほら、パン!!はやく!!」


私はつったっているお父さんの前で口をあける。


「…ほい!今日はハムチーズトーストだ!!」


それをしっかり口に放り込んで、玄関にダッシュ。


「行ってきますううー!!」


門をくぐり、全速力で学校へむかう。


「……美代子…」


「…安心してくれ…朱はちゃんと、いい子だよ…」


…お父さんの呟きを、もちろん私は聞くはずもなかった。
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