ツンデレ社長の甘い求愛
「これとこれをひとつずつ。それと……これとこれを」

メニュー表のページを捲りながらオーダーしていく社長。

どうやらメニュー名を口に出して言いたくないようだ。

けれどその気持ちは分かる。

今回は我が社の定番人気商品である、バニラアイスクリームをメインに提供するメニュー構成となっており、女性がターゲットということもあり、メルヘンチックな名称をつけたから。


ちなみに社長が注文したのは『とろーりとろけてしまう、絶品オムライス』と『ジューシーでふんわりハンバーグ』

食後にアイスを食べたくなってしまうメニューをと考え出されたオススメ料理。


そして極めつけのデザートは『愛愛アイスクリームパフェ』と『ラブリー島の爽やかパンケーキ』

「かしこまりました、少々お待ちくださいませ」

オーダーを取り終えた店員が去っていくと、社長は腕時計で時間を確認した。


「十九時……か、これだけ混雑している中、どれだけの時間で提供できるか……」

オーダーから料理の提供時間までしっかり計るようだ。


「ハンバーグは確か、オーダーを受けてからこねて焼くんですよね? そうなると時間かかりそうですね」

「そうだな。反対にオムライスはすぐに提供できる。マニュアルなら同席の客のオーダー品は同時に出すようになってはいるが、果たしてどうか……」
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