ツンデレ社長の甘い求愛
確かに有無を言わさぬ物言いで、手段を選ばずデキる男の雰囲気を醸し出している。

まんまと私もここに連れて来られてしまったわけだし。

先ほど私に紅茶を出してくれた女性が、会長の前にも同じ物を出した後、早速本題を切り出された。


「やっと会うことができて嬉しいよ」

優しく微笑む姿に、変な緊張が増していく。

そうだ、ちゃんと聞かないと。

どうして私に会いたいと思ってくれたのかを。

「あの……どうして私のことを……?」

少しだけ声が震えてしまう。

だって目の前にいる人物は早い話、会社での立場上、雲の上の存在なのだから。

すると会長は目を細め、耳を疑うような言葉を口にした。


「それはもちろん、孫の未来の嫁さんだからだよ」

「…………え」

とんでもない話に目を大きく見開き、言葉を失ってしまう。

えっと……待って。

会長はなにを言っているのだろうか。

私の耳には“孫の未来の嫁”って聞こえてきたんですけど。
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