ツンデレ社長の甘い求愛
第一私には会長に頭を下げてもらう理由などないのだから。
いまだに理解できていない。
会長のお孫さんは我が社の傲慢社長でしょ? 私がいつも対峙していた人なはず。
なのに会長はおかしなことを言う。
まるで私の隣に住んでいる山本さんが、自分の孫のように。
「おっと、そうじゃった。浅野、あの写真を」
「はい、ここに」
会長に言われ浅野さんは胸ポケットから封筒を取り出し、私に差し出してきた。
「あの、これは……?」
受け取ったものの、封筒と会長を交互に見つめてしまうと、彼はニッコリ微笑んだ。
「写真じゃ。ふたりとも幸せそうな顔をしておってな、私のお気に入りの一枚じゃ」
ふたりとも……? 私と社長が?
不思議に思いながらも封筒の中身を確認した瞬間、目を疑ってしまった。
だって封筒の中に入っていたのは一枚の写真。
しかも私と山本さんが、カイくんとラブちゃんを連れて散歩している様子が撮られていたものだったのだから。
まじまじと眺めてしまっていると、会長が弾んだ声で「よく撮れているじゃろ?」と言ってきたけれど、頭の中はパニック状態だった。
いまだに理解できていない。
会長のお孫さんは我が社の傲慢社長でしょ? 私がいつも対峙していた人なはず。
なのに会長はおかしなことを言う。
まるで私の隣に住んでいる山本さんが、自分の孫のように。
「おっと、そうじゃった。浅野、あの写真を」
「はい、ここに」
会長に言われ浅野さんは胸ポケットから封筒を取り出し、私に差し出してきた。
「あの、これは……?」
受け取ったものの、封筒と会長を交互に見つめてしまうと、彼はニッコリ微笑んだ。
「写真じゃ。ふたりとも幸せそうな顔をしておってな、私のお気に入りの一枚じゃ」
ふたりとも……? 私と社長が?
不思議に思いながらも封筒の中身を確認した瞬間、目を疑ってしまった。
だって封筒の中に入っていたのは一枚の写真。
しかも私と山本さんが、カイくんとラブちゃんを連れて散歩している様子が撮られていたものだったのだから。
まじまじと眺めてしまっていると、会長が弾んだ声で「よく撮れているじゃろ?」と言ってきたけれど、頭の中はパニック状態だった。