ツンデレ社長の甘い求愛
聞き返してしまうと、浅野さんは会長の想いを話してくれた。
「はい、家庭のことは妻に一任するといった古風なお方でしたので。……ですがそのせいで大喜様たちを傷つけ、追いやる結果を招いてしまったとずっと後悔されていたんです。ですから会長は例えどんなにおふたりの交際に周囲が反対しようと、しっかり守ってくださり、応援して下さいますよ」
「なのでどうかお気になさらずに」そう付け足した後、浅野さんはそれ以上なにも言うことはなかった。
社長に寄りかかられている状況で聞いた浅野さんの話。
私の心の中は複雑な感情で埋め尽くされていた。
最初は嫌いな人だった。
それなのに意外な一面を見せられて、尊敬できて。
しかも私が惹かれていた山本さんと同一人物だと聞いて、ますます気持ちは加速していって……。
できることなら私のことを愛して欲しい。
けれどそれは無理な話なんでしょ?
社長は私のことなんて、好きじゃない。
その人のことを口にするだけで優しい顔になっちゃうほど、大切に想う人がいるのだから。
モヤモヤした気持ちを抱えたままの私を乗せて、車は自宅マンションへと向かっていった。
「はい、家庭のことは妻に一任するといった古風なお方でしたので。……ですがそのせいで大喜様たちを傷つけ、追いやる結果を招いてしまったとずっと後悔されていたんです。ですから会長は例えどんなにおふたりの交際に周囲が反対しようと、しっかり守ってくださり、応援して下さいますよ」
「なのでどうかお気になさらずに」そう付け足した後、浅野さんはそれ以上なにも言うことはなかった。
社長に寄りかかられている状況で聞いた浅野さんの話。
私の心の中は複雑な感情で埋め尽くされていた。
最初は嫌いな人だった。
それなのに意外な一面を見せられて、尊敬できて。
しかも私が惹かれていた山本さんと同一人物だと聞いて、ますます気持ちは加速していって……。
できることなら私のことを愛して欲しい。
けれどそれは無理な話なんでしょ?
社長は私のことなんて、好きじゃない。
その人のことを口にするだけで優しい顔になっちゃうほど、大切に想う人がいるのだから。
モヤモヤした気持ちを抱えたままの私を乗せて、車は自宅マンションへと向かっていった。