ツンデレ社長の甘い求愛
ぬくもりに包まれたい
「申し訳ありません、鍵を開けていただいても構わないでしょうか?」
「はっ、はい」
あれから辿り着いた自宅マンション。
そしてやって来たのは私の隣の部屋。つまり山本さんが住む部屋だった。
社長の口から聞くまでは信じられないと思っていたけれど、いざこうやって彼を自宅に運んできて、やはり山本さんと社長は同一人物なのだと実感させられてしまう。
戸惑いながら浅野さんに渡された鍵で開けると、すぐに部屋の中から「ワンワンっ!」とラブちゃんの声が聞こえてきた。
「っとと、そうでした。大喜様は犬を飼われていたんですよね」
ふたりで社長の身体を支えたまま玄関に入ったものの、ラブちゃんの鳴き声が聞こえてくると、途端に浅野さんは表情を変えた。
「えっと、もしかして浅野さん……苦手だったりします?」
問いかけると浅野さんは大きく頷いた。
「申し訳ありません、幼少期から苦手でして……。決して犬がいるリビングのドアは空けないようお願いいたします」
「わっ、わかりました」
リビングのドアをガリガリしているラブちゃんには申し訳ないけれど、我慢してもらおう。
幸いなことに寝室にはリビングを通らずに行けるし。
「寝室はこちらでしょうか?」
「はい、多分ここだと思うんですけど……」
「はっ、はい」
あれから辿り着いた自宅マンション。
そしてやって来たのは私の隣の部屋。つまり山本さんが住む部屋だった。
社長の口から聞くまでは信じられないと思っていたけれど、いざこうやって彼を自宅に運んできて、やはり山本さんと社長は同一人物なのだと実感させられてしまう。
戸惑いながら浅野さんに渡された鍵で開けると、すぐに部屋の中から「ワンワンっ!」とラブちゃんの声が聞こえてきた。
「っとと、そうでした。大喜様は犬を飼われていたんですよね」
ふたりで社長の身体を支えたまま玄関に入ったものの、ラブちゃんの鳴き声が聞こえてくると、途端に浅野さんは表情を変えた。
「えっと、もしかして浅野さん……苦手だったりします?」
問いかけると浅野さんは大きく頷いた。
「申し訳ありません、幼少期から苦手でして……。決して犬がいるリビングのドアは空けないようお願いいたします」
「わっ、わかりました」
リビングのドアをガリガリしているラブちゃんには申し訳ないけれど、我慢してもらおう。
幸いなことに寝室にはリビングを通らずに行けるし。
「寝室はこちらでしょうか?」
「はい、多分ここだと思うんですけど……」