ツンデレ社長の甘い求愛
それはベッドに横たわる社長の上に――。

広い胸元に頬が触れた瞬間、慌てて退こうとしたけれどすぐに背中には逞しい腕が回された。


「しゃっ、社長!?」

密着する身体に悲鳴にも似た声を上げてしまう。

なのに社長はあろうことか私の腰に腕を回し、さらにきつく抱き寄せた。

おかげで身体は全部ベッドに上がり、社長にしっかり抱きしめられている。


嘘でしょ、なにこの状況は……!

頭の中はパニック状態。

感じる社長の胸の鼓動。鼻を掠める爽やかな香り。そして見た目以上に逞しい胸元――。


どうしよう……ドキドキし過ぎて心臓が壊れてしまいそうだ。

「ワンっ!」

少しだけベッドのスプリングが揺れた。

どうやらラブちゃんもベッドに上がり、社長の隣で眠る体制に入ったようだ。


「社長……?」

ラブちゃんがベッドに上がったというのに、社長の反応はない。

もしかして今のは寝惚けていたのだろうか。
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