ツンデレ社長の甘い求愛
よかった、キャンセルが出て。

これで部屋問題は解決したわけだけど……。


つい社長の後を追って行ってしまう。

すると社長はドアの前で立ち止まり、私と向かい合った。

見下ろされドキッとしてしまう私に、社長は眉尻を下げた。


「悪かったな、色々と。……嘘をついていたことも、プライベートなことを聞いてしまったことも」


「いいえ、私もすみませんでした。……色々と失礼なことを言ってしまい」


冷静になればなるほど、けっこうやらかしてしまったと後悔してしまう。

相手は社長だというのに、暴言吐きまくっちゃったし。


「あの……本当に彼女はいないんですか?」

本当なのだろうか、社長が話していた大切な存在がラブちゃんだって話は。


いまだに信じられなくて問い掛けると、社長は小さく息を漏らした。


「いないよ、俺に彼女なんて。つーかいるわけないだろ? こんな男に」


う、そ……本当なの? 社長には彼女はいないの?

トクントクンと胸が高鳴り出す。
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