ツンデレ社長の甘い求愛
なに、それ。

胸が詰まって息苦しくなる。


反則すぎる。

例え上司としての立場から言っているにしたって、勘違いされても文句を言えないですよ、社長。


もういっそ、この場ですべて打ち明けてしまおうか。

好きって気持ちを必死に押さえるのもそろそろ限界を迎えてしまいそうだ。

目の前にいる社長に全力で「好き」って言いたい。

心臓が速く脈打ち、感情が昂ぶっていく。


「あのっ……!」

「悪い、電話だ」

止めることなく出てしまった声は、タイミングよくかかってきた電話によって止められてしまった。


社長は電話の相手を確認した後、顔を顰めながらも背を向け出た。

えっと……私、今なにを言おうとした!?

バクバクとうるさい心臓を手でギュッと押さえてしまう。


勢いに身を任せてとんでもないことを言おうとしていたよね!?


社長のスマホにタイミングよく電話がかかってこなかったら……と思うと、ゾッとしてしまう。
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