ツンデレ社長の甘い求愛
送られてきた社内メール
迎えた週末の日曜日。

梅雨の晴れ間となり朝から快晴で、洗濯物や布団を干した後、カイくんと少し遠くの公園まで散歩に来ていた。


「カイくん、気持ちいいね」

「ワンッ!」


散歩が大好きなカイくんは嬉しそうに私を見上げてくる。


あの日、空港で社長と別れてから、何の音沙汰もない。

会長の容態はどうなのか分からずにいる。


けれどよく考えれば社長とはお互い連絡先を知らないし、社長からしてみたら私に伝える手段がないことに気づいた。


「こんなことなら、浅野さんの連絡先くらい聞いておくんだった」


機会ならたくさんあったのに。

辿り着いた公園でカイくんと遊び、しばし休憩中、がっくり項垂れてしまう。


会長は大丈夫なのかな? 心配で仕方ない。――でも逆に考えれば、連絡がないってことは良い方向に向かっているのかもしれない。


ずっとこの繰り返しだった。


きっと明日になって会社に行けば分かることだと思うけど……会社に行けば、社長といつかは顔を合わすことになる。

その時のことを考えると、顔から火が出てしまいそうだった。
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