ツンデレ社長の甘い求愛
お礼を言うと、亜美ちゃんは眉を寄せた。


「かすみ先輩、ちょっと飛ばしすぎじゃないですか? あまり無理しないでくださいね。言ってくれれば手伝いますから」

「ありがとう」


亜美ちゃんの気持ちは素直に嬉しい。


「ただ明日は絶対残業したくないから、前倒してやっているだけなの。ごめんね、いらない心配させちゃって」

「ならいいんですけど。本当に大変だったら言ってくださいね」

「了解」


そう言うと亜美ちゃんは表情を緩めて他の同僚たちへ、珈琲を運んでいった。


彼女の後姿を眺めながら、本当に私は同僚に恵まれたと実感させられていく。


亜美ちゃんが淹れてくれた珈琲を啜りながら、しばし休憩しているときだった。

パソコンに新着メール一件ありの文字が映し出されたのは。


「ん? なんだろう」

しかもメールは社内メール。

おまけに届いたのは私だけではないようで、みんなのパソコンにも届いているようで口々に「なんだ?」「え、お前も?」の声が飛び交う。


そしてなぜかメールを見たみんなは、私の方を見てきた。

それは亜美ちゃんも――。


不思議に思い、私もクリックして一斉送信された社内メールを見た瞬間、凍てついてしまった。


メールに添付されていたのは、完全オフ状態の私の写真だったのだから――。
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