ツンデレ社長の甘い求愛
途端に二匹は嬉しそうにじゃれ合い始めた。

「よかったね、カイくん。ラブちゃんが遊びに来てくれて」

二匹を愛しそうに眺める彼女につられるように、俺まで自然と頬が緩んでしまう。


「大喜さん、どうぞ上がってください」

「あぁ、お邪魔する」

かすみに促され、靴を脱いだときだった。


「ウ゛~ワンッ!!」

ついさっきまでラブとじゃれ合っていたカイくんが、いつの間にか俺に敵意剥き出しにして、唸り出した。


「ちょっとカイくん?」

すぐにかすみがカイくんを宥めるものの、カイくんは歯を覗かせて唸るばかり。

その姿にガックリ項垂れてしまう。


あぁ、やっぱり今日もダメか……と。

カイくんに威嚇されるには、実はこれが初めてじゃない。

かすみと付き合い始めた日から、彼の俺に対する態度は激変した。
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