ツンデレ社長の甘い求愛
だからこそ結婚後、毎週足蹴に我が家まで来てくれていると思うから。

「どうぞ」

「すみません」

人数分の珈琲をカップに淹れ、テーブルに並べていくと会長もソファに腰を下ろした。

「すまないね、かすみさん」

「いいえ、とんでもないです」


そのまま大喜さんの隣に腰掛け、それぞれが珈琲を口に運んでいく中、会長はなんの前触れもなくとんでもないことを言い出した。

「ところで大喜、ひ孫とはいつ頃会えるかな?」

「……っゲホッ!? なにを急にっ……!」

突然の話に大喜さんはむせてしまい、慌てて背中を叩く。

けれど私もむせる一歩手前だった。


だってそんないきなり〝ひ孫〟だなんて……っ!

大喜さんの背中をさすりながら、恥ずかしくなっていく。

けれど会長は至って真面目な顔で話を続けた。

「急な話ではなかろう。私としては孫が結婚したとなれば、ひ孫を期待するのは当然じゃ」
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