ツンデレ社長の甘い求愛
さて、第二企画部が終わったということは、いよいようちらの番だ。


お茶を飲んで喉を潤おす。
戦闘態勢に入らなくては、今井社長には勝てない!


ひとり気合いを入れる私、馬場 かすみ(ばば かすみ)二十八歳。

身長百六十センチのやせ形。アッシュブラウン色にカラーされたロングヘアを、仕事中はきっちり後ろでひとつにまとめている。


周囲からは「スタイルいいね」なんて誉められるけれど、昔からいくら食べても太れない体質が悩みであり、一般の女性より小さな胸のサイズがコンプレックスだったりする。


都心の一等地にそびえ立つ、二十四階建ての本社ビルに勤めて早六年目になる。

系列の飲食店などでの研修を得て配属された先は第一企画部。

主にチョコレート菓子の企画発案を行なっている部署だ。


ちなみに我が社の企画部は私が所属する第一企画部から、第四企画部まである。

企画部の仕事はとにかくやりがいがある。


まずは徹底的に情報収集を行ない、商品のターゲット層やコンセプト、競合商品との差別化、価格設定、販売コストの算出、販売戦略などを考え、部署内でアイディアを出し会議を重ねながら企画書にまとめていく。
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