ツンデレ社長の甘い求愛
うっ……! なんだこれ、眩しい!!

今日の天気はどんより曇り空。

なのに山本さんの周りだけ、太陽の光が降り注いでいるんじゃないかってくらい眩しいんですけど。

まるで私、山本さんの放つ太陽みたいな光で、光合成をさせてもらっている気分だ。


山本さんに対して感じた感情の正体がなにか、今分かった気がする。

ほのぼのしちゃうのは、彼が纏う空気が温かくてほんわかしているからだ。


社長のせいで溜まりに溜まった鬱憤なんて、どこへやら。
むしろキーキー怒っている方がバカバカしくなる。


知り合って数時間。
勝手に彼に癒されている自分ってどうなのよ。でも――。

「ラブとカイくんが起きたら、もう一回りしてもいいですか?」

「もちろんです」


週末にはこんなに穏やかで、なにもかも忘れられるくらい楽しい時間を過ごせるのかと思うと、子供みたいに週末が楽しみになるばかりだった。


* * *


週末にこんなことがあった私は、そりゃもう元気はつらつと出勤したわけであります。

けれどそれも数十分後には、気分台無しにされてしまうのです。
せっかく隣にやってきた癒し系男子からもらったパワーでも叶わないくらい、強力なストレスを与えてくれるあの人によって――。
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