ツンデレ社長の甘い求愛
「そういうところがますますだめだな。だからお前は人の上に立てない人材なんだ」

「……っ!」

痛いところを迷いなく言われると、途端に顔の筋肉が強張ってしまう。

言われたことはないけれど、なんとなく自負していた。
自分は上に立てるような人材ではないのかもしれないと。

仕事はたくさん任されるようになった。
けれど、一向に昇進の話はない。

それはきっと社長の言う通り、私には人の上に立つ器がないからだと思う。

「あのっ……! 教えていただけませんか? 私に足りないものを」

こんなこと聞くなんて情けないと思う。
けれど聞かなければ、分からないことだから。

直属の上司になんて聞けない。
後輩にだって聞けないよ。社長だからこそ聞けることだ。

いつもズバズバと言ってくれる社長だからこそ――。

意地もプライドもクソくらえ。

知りたい一心で社長を見据えていると、彼もまた私から視線を逸らすことなく見据えたまま言った。
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