ツンデレ社長の甘い求愛
「カイくん! 散歩に行こう!!」

「ワンッ!」

同意するように吠えたカイくんに、少しだけ胸の高鳴りが収まっていく。

そうだ、こんなときはカイくんと思いっきり散歩するべし!

家でひとりグルグル考えちゃっているからいけないんだ。

そもそもどうして休日の貴重な時間に、あの社長のことを考えなくちゃいけないのよ。

散歩用品一式を手に、軽く手で髪を整えてラフな格好のまま家を後にした。


「んー、いいお天気!」

朝から青空が広がっていて、自然と気分も晴れやかになっていく。

やっぱり休日に散歩するっていいな。リフレッシュになる。

「いつもの公園に行ってみようか」

「ワンワンッ!」

気分晴れやかに走り出すと、すかさずカイくんも走り出し、あっという間に私を引っ張っていく。


「もー、カイくんってば早すぎ」

それでも引かれるがままいつもの公園に辿り着くと、なぜか犬友達の皆さんが輪を作って、なにやら神妙な面持ちで話し込んでいた。
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