ツンデレ社長の甘い求愛
「えっと……俺は全然迷惑じゃなかったですよ。むしろお話聞かせていただいて、ますます長日部さんってすごいなって思いました」

「……え?」

話を聞いて?

首を傾げてしまうと、山本さんは遊びたいラブちゃんのリードをしっかり握りながら答えてくれた。


「自分の欠点を受け入れられる人間だからです。……一見簡単なようで一番難しいことですよ、自分の悪いところを認めて見つめ直すことって。実際俺もなかなか自分の欠点を直すことはできていません」

「山本さん……」

なんだろう、これ。

胸がギュッて締め付けられる。

嬉しいから? 恥ずかしいから? 戸惑っているから?

答えの出ない摩訶不思議な感情で心の中は埋め尽くされていく。


「長日部さんは気付けたんだ。……大丈夫ですよ、一からまた頑張ればいいんです。仕事だけではなく、人生ってそういうものでしょう? 失敗と成功の繰り返しで構築されているんですから」

目から鱗だった。
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