零 ―全ての終わりと始まり―
「仕方ない。俺も少ーーーしだけ手伝ってやるよ」

「本当か?」

「あぁ。その類の記述がある本が無いか探してみる。それでいいか?」

「ああ。ありがとう」

素直に頷いたファロルに、満足げにレクトは笑った。

「じゃあ俺はこれで。エスコート頑張れよ♪」

「誰が頑張るかっつの」

レクトは小さな笑い声を溢し、背中を向けると、手をひらひら振りながら去って行った。


・・・考えて無かった。
もしも、これが本当だとしたら・・・

「あーあ・・・」

何で俺?と小さくファロルは呟く。
自分で言うのも何だが、そういうのには全く向いてない。
レクトの方が役に立つのは間違いないだろう。




―――・・・聞こえる?


「・・・ッ!!」

この声―――!


―――良かった、聞こえるのね?
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