お隣さんの秘密


家の鍵もかけて、ポケットにしまおうとした時、



運悪くお隣さんの立てかけてある傘の中に入り込んでしまった。




「わー、、早く取らなきゃ、、」




"ガチャ"



「あ、」



お隣さんと二回目の対面。


わたしはお隣さんの傘を手に取っている。




「あ、あの鍵が!!すみません、盗んでるわけじゃなくて!!」


またしてもテンパってしまう。



「あれ?百合ヶ丘高校の生徒?」



「本当に盗んでいません!!高校だけには!!高校だけには言わないでくださいっ!!」



するとプッと笑うお隣さん。



「へっ?」


「君、面白いね。

鍵、取りなよ。疑ってないから。」



恥ずかしくて顔が真っ赤になる。




先走って慌てていたさっきのわたし。

消えてしまいたい。




無事に鍵をとって、傘を渡した。



「あの、本当すみませんでした。。」



恥ずかしくて目も合わせれない。

また足早にこの場を逃げようとした。



「ねぇ。」

すると急に手を掴まれた。



「一緒に行こうか、入学式。」



ニコッと笑ったお隣さんに、

私は心臓が飛び出そうなほど胸が高鳴る。





「えっ!!えっ、なんで!」




なんでこの人は入学式って知ってるんだろ、





それよりも手!!



初めて男の人に手を掴まれた!
握られたことももちろん無いけど、


顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかる。






「早く行かないと遅刻するかもよー。」


くるっと回って歩き出したお隣さん。





「ちょっ、ちょっと待ってくださいっ!」




置いていかれないように急いでお隣さんを追った。




















< 4 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop