さくらの空
「よし、特性親子雑炊完成。これ食ってさっさと寝てろよ。」

「はーい。あ、食べさせてくれます?」

「殴り飛ばそうか?」

「うー、ごめんなさぃ・・・」


千秋がもごもごと食べている間手持ちぶさたな俺は、ぼぅっと部屋を眺めていると、

ふと部屋の片隅に置いてある四角いケースが目にとまった。

横は1m弱くらいだろうか、俺の家にあるキーボードのケースのようにも見えるがそれにしては小さい。



手を伸ばそうとすると


「さわらないでくださいっ」

突然後ろから怒鳴られ、驚いて振り向くと、千秋がベッドの上から文字通り飛び降りてきた。

「ごめん。つい気になって」

「あ、すいません、怒鳴るつもりはなかったんですけど。」

「これって何かの楽器?」

「はい、そうですよ。だからあまり部屋を見回してほしくなかったんだけどなぁ」

そういいつつ、大切にケースをひざの上に移動させ、ふたを開けた。
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