好きになるまで待ってなんていられない


女性用のシャンプーやコンディショナー、ボディソープも女性向きの香りの物…。各種色々。
ふ〜ん。…ここって、女性が使った事があるんだ…。
…クレンジングもある。ジェル状のと、クリーム洗顔のと…。至れり尽くせりじゃない…。
…一体、今まで…何人…。
知らない……そんなの…知らない。


汗が滲むほど浸かるって。
…あ、…あ、…ふぅ。湯舟…久し振り…。
こうやって用意されてると、尚更天国ね。熱くも無く丁度いい…。

…気持ちいい。

…はぁ。極楽…極楽…。

…。



ぺチぺチ…ペチ、ペチ。

……ん、…ん。

「おい」

…ん゙〜ん…。

「お〜い」

ぺチ。

ん?…ペチ?…ん。え。

「お、気がついたか」

…。誰?…どこ?

…。え。

「キ、キャーーッ!!」

「…あー、煩い…。俺だ。化け物じゃ無い」

耳がキーンてなるじゃないか…。


「俺だ。解るか?正気になったか?あんた、中々出て来ないと思ったら風呂で寝てたぞ。
もう少しであの世行きだったな。チャプンって鼻と口が浸かってたら死んでたな」

「え゙っ」

…あー。気持ち良くて、だから、ウトウトしちゃったんだ。…危なかったんだ。

「ほら、飲んだ方がいい。大分、水分が出てるからな」

スポーツ飲料を渡された。

「…すみません。ご迷惑をおかけしました。…頂きます」

起き上がって受け取った。

はぁ、美味しい…。まさに生き返るとはこの事。蘇った~。


「あ…、フ。まあ、いいか。全く…あんた、天真爛漫だな…。はぁ…。今日は止めよう、何もかも。飲んだらもう寝ろ」

「え?」

「あー、いいから寝ろ。朝、送る。あぁ、あんたの部屋の鍵はそこに置いてある」

あ…。チェストの上にある。

…私のよね。

手に取って確かめた。
間違いない。私の部屋の鍵だ。
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