好きになるまで待ってなんていられない


伏せ込まれていた。
顔を挟むように両手で固定されていた。
恥ずかしいから…とにかくそんなにずっと見ないで。

「帰りたくないって顔してたけど?違ったか?」

「あ、…それは。だって…」

あの雰囲気で、あんな風にしておいて、送るなんて言うから…。そんな顔にもなるわよ。

「…まあ、いい。あんたの気持ち、酌んだつもりだ。たから、こっちで…」

…でも、どうして、今日。

「…今日?」

「ああ。嫌か?あ、それとも、もしかして、無理な日か?」

…それは単刀直入に出来ない日って、事?

「それは違う。違うけど…」

「じゃあ、何?…あぁ、出来やすい日?」

「え?そ、それ、それって…どういう意味?…え?どうするつもり?」

…この男、…安全日だったら、じゃあ、何…。

「駄目よ!」

「何…」

「…出来るようなのは…駄目」

…。

「フ。ハハ。あんたやっぱり面白い。じゃあ、出来ないようになら、していいって事だろ?そう言ってるようなもんだ」

「あ、そんなのは言葉のあやでしょ?」

「で、どっち?」

「どっちって、どっちのどっち?」

「はぁ、どっちも。もうどうでもいい。するって事だ。ちゃんと避妊するから大丈夫だって事」

…何よ…。じゃあできやすい日とか言わなくていいじゃない…。

「さあ、どうするんだ…」

どうするとか、もう変な風にしか聞こえない…。

「…聞かれたら、嫌」

言いたくない。あ。
んん、…ん。じれったくなったのか、唇を押し付けるようにして口を塞がれた。

「…聞かなきゃいいんだな。聞かなきゃ嫌じゃないんだな?悪いけど、明日一日、身体の中が熱くて辛いかもな…」

あ。長い指が髪を解き、ゆっくり梳いた。
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