桜の季節
「鈴木!」


呼ばれて振り返えるとそこには飯田と亜紀ちゃんがいた。


知ってても、分かっていても二人一緒にいるのを見るのはいつもつらい。


部活のあと二人で帰るのをたまに目にしていた。


そのたびに大げさかもしれないけど胸が苦しかった。


「あっ飯田じゃん!羨ましいね~♪見せつけちゃって」


「うっせ」


それだけ話して二人と離れた。


つらいけど声をかけてくれただけでも幸せな気分になってしまう。
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