桜の季節
「鈴木!今日の予習してきた?俺分かんないとこあってさ~」


私の気持ちなんて知るはずもないから普通に話しかけてくる。


「あ~…一応してきたけど自信ないかな」


「まじかっ!でも一応答え合わせしたいし見せて」


「…うん」


そう答えてノートを渡した。


「何か元気なくない?」


あんたのせいだよなんて答えられるわけがない。


「そんなことないって」


「ふ~ん。明日学校は休みだし部活も午後からだからゆっくり休めよ」


別に普通の会話なのに些細なことで嬉しくなってしまう。


飯田が少しでも私の心配をしてくれたから。
< 16 / 46 >

この作品をシェア

pagetop