桜の季節

１年の最初の行事である遠足を前に私にとって最悪のニュースが飛び込んできた。


「俺、彼女できた」


部活に向かうときに幸せいっぱいの笑みを浮かべて彼はそう報告してきた。


彼の幸せいっぱいの顔とは裏腹に私は胸がズキっとしたが顔には出さずに


「良かったね」


と答えた。


「そっかそっかぁ。誰と付き合うことになったの？ってか私の知ってる人？」


なるべく平然を装って聞いた。


「城山亜紀(ｼﾛﾔﾏｱｷ)って知ってる？」


「あー…飯田と同じ３組の？」


「そう！告られたんだ」


「そっかぁ。良かったね。ちゃんと大事にしてあげるんだよ」


と笑顔をむけて答えた。


心とは正反対に。