苦手な言葉レンタルします！「辞めます！」編

確かに・・・沢木は肯いて胸の中で「辞めてやる！」と呟いた。
「でも、その言葉を貸してもらうと云えるようになるんですかね？」
「ハイ、もちろんです！それがうちの商売ですから、何かお試しになりますか？」
妖精のような女性は、自信ありげに明るい声で答えた。

「何か、おまじないの一種とか、そういう感じ何でしょうかね？」
今まで、言葉を貸す商売なんて、みたことも聞いたことない沢木は、質問をつづけた。
「そうですそうです、そんな感じです！。うちでお貸しする巾着袋の中に<言葉>のお札が入っていて、そのお札のパワーで、苦手だったその<言葉>が云えるようになるって考えてもらうとわかり易いですね」

なるほど、お札かぁ～この世には色々と不思議な力が溢れているらしいから、そういうこともあるのかもしれないなぁ・・・
沢木は、そんなふうに思いながらその女性の話を聞きながら、その気になってきていた。