好きって言ったら、どうする?
「───わぁ、花火!」
「………。」
響き渡った夏の音に
私たちは空を見上げて、
輝くそれを 静かに眺めた。
暗かった辺りが
花火の光で 綺麗に照らされる。
(………本当に、綺麗……。)
次々と打ち上がる花火を前に
私は夢中になって
黙ったまま、ずっとそれを見上げていた。
お互いに空を見ながら
繋いだ手は、そのままで───
まるで時が止まったみたい。
そんな風に夢中になって
花火を見上げている途中……
ふと 視界の中にいる勇さんが
小さく動いて
そして
私の方を向いた。
「-------------。」
「……??」
そして
私に向かって、
何かを言っているようけど
───花火の音で、何も聞こえない。
「勇さん?何か言いました?」
私が声を少し張りながら
こちらを見下ろす勇さんに
そう尋ねるけど
勇さんはそれを聞くと
小さく微笑んでから、
静かに───首を振った。