好きって言ったら、どうする?







(………え…?)










私は勇さんの突然のその言葉に

驚いて止まり、
言葉を詰まらせる。






……ど、どうする…って??








私は 彼の言葉の意味がよくわからず


混乱すると同時に
反射的に-----鼓動をパクパクと鳴らせた。










「風呂と着替えと傘なら適当に貸せるけど……それより直で家帰るか?」

「っ……あ…。」










(あ、そ、そういうことか……。)









私は勇さんの言葉を聞いて

そこでやっと、言葉の意味に
ハッキリと気付く。





な、なんだぁ…なるほど……!







何となく勝手に

『また泊まるか?』なんて感じの展開になってしまうのかと思ったけど…




そ、そういうことね……っ。










(は、恥ずかしい……っ。
これじゃまるで私変態みたいだよ…っ。)










勝手にわけのわからない期待と
勘違いをしていた自分に

私は恥ずかしくなりながらも


勇さんの言葉に
こくっ、と頷いて答える。










「そ、それじゃああの…
お言葉に甘えても良いでしょうか…っ。」

「ん、わかった。」










勇さんは私の答えを聞くと


しゃがんでいた体を立たせて、
再び 濡れた髪をかきあげた。







そして 周りの様子を何度か見渡してから


覚悟を決めたようにして
「よし。」と声を漏らす。








それと同時に、再び私の手を掴んだ。











───雨の中を、2人で駆けていく。









< 127 / 428 >

この作品をシェア

pagetop