好きって言ったら、どうする?
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2人で雨に打たれながら
少しの間走っていくと
やがてラーメン屋さんが見えてきて
急いで階段を上がって
勇さんの部屋に入り込む。
────ガチャッ、と
扉が閉まる音がして
ようやくそこで、互いに落ち着く。
「……とりあえずタオル持ってくる。」
「あ、ありがとうございます…っ。」
勇さんは、
廊下に水滴を落としながら
お風呂場からタオルを持ってきて
そっと私には手渡した。
玄関から上がる前にある程度拭き、
水滴が垂れなくなった頃に
ようやく部屋に上がる。
「湯沸いてねェから、
悪いけどシャワーだけで。」
「は、はい。ありがとうございます。」
「着替え用意しとくから
風呂先に入っちゃって。」
「あ…じゃあお先に…
ありがとうございます。」
勇さんにそう言われ
私は大人しくお言葉に甘えて
お風呂場へ向かった。
ささっと終わらせて
早く勇さんと交代しなきゃ…!
私はそう思いながら
濡れた浴衣を急いで脱いで、
シャワーを浴び始めた。
そして
パッと洗い終えて
お風呂場を出ると
すでに着替えがそこに置いてあり、
脱いだ浴衣や下着を入れるための
袋が一緒に置かれている。
(下着……家に帰るまでの辛抱だけど、どうしよう……。)
そんなことを考えるけど、
今更脱いだ濡れた下着を
身につけるなんて、もう出来ない。
幸い、勇さんから出された着替えは
黒い服だったので
どうにかセーフかな…?と思って
私は裸の上から
それを着た。
────しかし
「………あ。」
私はそれを着てから
その危なさに気がついた。
……服のサイズ……大きい……。