好きって言ったら、どうする?
服を着てみたら、思いの外
勇さんの服のサイズが大きくて
胸元が、ギリギリまで開けてしまっている。
……いや、これ危ないよね。
多分
ちょっと間違えば見えてしまう。
どうしたものか、と悩んでいると
シャワーの音がしなくなったからか
不意に、
ドア越しに 勇さんの声がした。
「柑奈、上がったか?」
「っ、は、はい!
着替えも…一応終わったんですけど…あの…。」
「…?」
勇さんに話しかけられて
私は慌てて そう答える。
この状態で出て良いものか、と
自分の中で迷って
脱衣所でオロオロしていると
勇さんが再び
不思議に思ったらしい声で、
ドア越しに 私へ話しかけた。
「どうした?」
「…えと、あの……Tシャツが……。」
「Tシャツ?」
状況を把握できない勇さんは
私に尋ねるような声色で
そう言葉を繰り返す。
(っ、いや
今は先に勇さんにお風呂譲らなきゃ…!)
私はハッとしてそう思い、
勇さんに「な、なんでもないです!」と
返事をして
とりあえず
荷物を袋に入れ
胸元を片手でギュッと握りしめた。
…これなら、大丈夫だよね……。
「す、すみません!勇さんどうぞ…!」
「!」
そう言って
ガチャッ、と
脱衣所のドアを開けると
すぐ目の前にいた勇さんが
突然出てきた私に驚いて
目を丸くする。
───そして
「───!」
私の姿を見て
さらに 目を丸くした。