好きって言ったら、どうする?
「…おい柑奈、ちょっと待て。」
そして
勇さんの横を通り過ぎて
部屋の奥へ行こうとした私を、
勇さんが引き止める。
そして私をその場に残して
スタスタと 1人部屋の奥へと歩いていった。
「勇さん?」
「……1番小せェのコレしかねェけど、
多分それよりマシだから。」
ほら、と
何かを持って戻ってきた勇さんが
廊下に立っている私へ
それを手渡す。
(………!)
それは
今着ているのよりも小さめの
別のTシャツだった。
私はそれを受け取って
目の前にいる勇さんを スッと見上げる。
「あ…これ……。」
「…さすがにそれでは帰せねェだろ。」
悪かった、何の配慮も無くて───
勇さんはそう言うと
足早に脱衣所へ向かって
そしてバタンッ!と、ドアを閉めた。
───勇さんの耳が、少し赤かった。
脱衣所に入る前に見えた
ほんの数秒だったけど
確かに───見えてしまった。
「っ………。」
私はそれに気がついて
思わず
息を飲んで、顔に熱を集めた。
───勇さんがあんな風に照れるところ、初めて見た。
(っ……どうしよう……。)
胸の高鳴りが、止まらないよ───。
私は
お風呂場から聞こえる
シャワー音に耳を傾けながら
勇さんから受け取ったTシャツに
静かに…
熱のこもった顔をあてた───。