好きって言ったら、どうする?
▼勇side▼









「──ん、じゃあな。」

「はい、ありがとうございました。」









風邪ひかないように
気をつけてくださいね、と



玄関先で俺を気遣う言葉をかけて

頭を下げ、家に入っていった柑奈。





俺はそれを見届けてから

家までの道へ、引き返す。








……少し、名残惜しい。









(………はぁ。)









───『あれ』から




あの、遊園地の日から




俺はますます、おかしくなっている。







頭を冷やすために寝たはずが、
目が覚めても───相変わらずで。






むしろ





あの日よりも少しずつ、
気持ちが増しているような気がする。









(………あの時…)










俺は、花火を見ていた途中の


柑奈の言葉を 歩きながら思い出す。











『勇さん?何か言いました?』











そう言って


花火の光で横顔を照らされながら
俺を見上げていた柑奈。








───もしも、あの時






花火の音が、無かったら───









(………お前、何て言ってた…?)










そう考えると




少し強くなると共に…


胸が───熱く疼くのを感じた。









……あぁ、やっぱり…重症だ。










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